自動運転車両向けソフトウェア開発のストラドビジョン 2021年度の技術ロードマップを発表
高まる自律走行車両の需要に備え、コストと利便性を両立する先端技術を提供
先進運転支援システム(ADAS)や、自動運転車両向けの物体認識AIソフトウェア『SVNet』を提供するStradVision, Inc.(韓国ソウル市、CEO キム・ジュナン、ストラドビジョン)は、2020年の技術および事業の成果と、2021年度の技術ロードマップを発表します。
■2021年の技術面およびビジネスのロードマップ
新型コロナウィルスの世界的な大流行は、自動車産業をはじめとするビジネス構造やインフラを基盤とする多くの産業に影響を与えました。一方、自動車市場は全体的に低迷しているにもかかわらず、ADAS・自動運転車市場の潜在的ニーズは高まっており、今後の需要拡大が予測されています。
〇車両前方のカメラ・FFCの単眼カメラ対応
ストラドビジョンの2021年の最優先事項は、既存の自動運転車両向け物体認識AIソフトウェア『SVNet』のアップデートです。主な機能として、車両前方のカメラ・FFC(Front-facing Camera)画像を使用した物体認識ソフトウェアを提供しています。2021年のアップデートでは、単一のカメラでデュアルフロントカメラと同等の物体認識能力を提供し、量産車での採用を目標としています。これにより、安全性を維持しながら、ハードウェアの使用率とコストの両方を下げることができ、省エネ・熱対策などの観点で高い効率性を発揮することができます。
〇360度全方向の物体認識SVM
2020年10月の『NVIDIA GTC 2020』および、11月の『AutoSens 2020』に発表した『SVM(サラウンドビューモニタリング)』は、自動車業界で大きな注目を集めました。この技術は、自動車の側面に沿って取り付けられた複数のカメラで収集した広角画像を組み合わせて、360度全方向の物体や状況を認識するものです。このSVMやAR-HUD(拡張現実ヘッドアップディスプレイ)などの新技術をベースにした新しいビジネス分野にも注力します。
〇自動駐車支援APAと自動パレーパーキングAVP
ドライバーの介在の有無にかかわらず駐車を支援する自動駐車支援(Advanced Parking Assist.APA)や、車両が自ら駐車スペースまで運転し、呼び出されたら自ら戻ってくる完全なバレーパーキング(Automated Valet Parking.AVP)などの高度な機能を実現するための物体認識技術を提供します。
これらの技術革新を、OEM、自動車部品メーカー、SoCメーカーなどと協力し、誰もが日常的に使えるドライブライフに導入し、業界の最新トレンドをリードしていく所存です。
■世界1300万車両で採用の物体認識AIソフトウェア『SVNet』とは
SVNetは、カメラ映像からディープラーニングによって検知する自動運転車両向けの物体認識AIソフトウェアです。特許技術によってネットワークパラメータサイズや必要とする演算量、メモリ使用量を少なくしながら、高い物体検出・認識精度を実現します。製品特性に応じたチップ(SoC)への組み込みや、高価なセンサーをカメラに置き換えた利用が可能で、競合他社の製品と比較して、数分の一のコストでADASや量産自動車への提供を可能にしています。
現在、ドイツ・中国市場をはじめ9社のパートナーと提携し、51種類のADASおよび自動運転向け車両に採用され、世界中で1300万台の量産車に導入される予定となっています。日本市場においては、2020年8月には大手システムオンチップ(SoC)ソリューション企業である株式会社ソシオネクストと、日本市場へのSVNetの供給を拡大するための協業契約を締結しております。
なお、ストラドビジョンは、ADASおよび自律走行技術における競争力が評価され、2020年にルネサスのR-Carコンソーシアムのプロアクティブ・パートナー・プログラムおよび、NVIDIA Inceptionプログラムのプレミア・パートナーに選ばれています。
■ストラドビジョンについて
2014年に設立されたStradVision, Inc.は、高度な運転支援システム(ADAS)向けの、画像処理AI技術のパイオニアです。当社のソフトウェアは、競合他社の数分の一のコストでADASを利用できる特徴を持ち、世界で880万台の車両に導入予定です。現代自動車やLGエレクトロニクス、IDG Capital、アイシングループなどからの出資を受け、ソウル、サンノゼ、東京、ミュンヘンに拠点を構え、データアルゴリズムのエンジニアをはじめとする140名以上のチームによって、完全自律走行車両の実現を促進すべく事業を展開しています。2020年の『Autonomous Vehicle Technology ACES Award in Autonomy(ソフトウェア部門)』を受賞し、国際規格、ISO 9001:2015とISO 27001:2013の認証も取得しています。
source: https://www.sankei.com/economy/news/210329/prl2103290418-n1.html